呼吸とは
呼吸は、酸素を取り込み二酸化炭素を排出するために欠かせない働きです。それだけでなく、胸郭の動きや身体の支え方、筋肉の緊張、姿勢や動作とも関係しています。JIONでは、呼吸・荷重制御・動作を身体を見る3つの主軸として考えています。
JIONが考える呼吸
深く吸えることだけを「良い呼吸」とは考えません。休む、立つ、歩く、力を出すなど、その場面に応じて呼吸しながら身体を支え、動けることを大切にします。
呼吸は、身体を動かしているときにも続いています
呼吸は安静にしているときだけ行われるものではありません。
座る、立つ、歩く、物を持つ、運動するなど、身体を支えたり動かしたりしている間にも呼吸は続いています。
そのため、呼吸と身体の支えは完全に別々の働きではありません。
JIONでは、呼吸そのものだけを見るのではなく、呼吸しながら身体をどのように支え、動いているかまで確認します。
呼吸と身体の支え
呼吸では、横隔膜をはじめとする呼吸に関わる筋肉が働き、胸郭や腹部の形や圧力が変化します。
横隔膜は呼吸に重要な役割を持つと同時に、身体を支える働きにも関係しています。
そのためJIONでは、胸やお腹が大きく動いているかだけではなく、呼吸するときに身体をどのように支えているか、首や肩などを必要以上に固めていないかも確認します。
呼吸と「内壁・外壁」
JIONでは、身体の支え方を考えるために内壁・外壁という言葉を使います。
内壁
身体の内側で安定して支える働きです。
JIONでは、呼吸の状態を身体の内側でどのように支えているかを考える手がかりの一つとして確認します。
外壁
身体の外側の筋肉を過剰に使用し、身体を固めて支える働きです。
呼吸のたびに首や肩などへ強く力が入る場合には、外側の筋肉へ頼った支え方になっていないかも確認します。
外側の筋肉を使うこと自体が悪いわけではありません。必要な場面では外側の筋肉も使いながら、必要以上に身体を固め続けていないかを見ることが大切です。
呼吸と姿勢は、互いに影響します
呼吸のしやすさは、身体の位置や姿勢によって変わることがあります。
座っているとき、仰向けになったとき、立っているときでは、身体の支え方も胸郭や腹部の状態も同じではありません。
反対に、呼吸の仕方が変わることで、身体の力みや支え方が変化することもあります。
そのため、一つの姿勢を「呼吸に正しい姿勢」として固定するのではなく、姿勢と呼吸がどのように影響し合っているかを確認します。
呼吸・荷重制御・動作はつながっています
JIONでは、呼吸を身体機能の土台として一方向に考えるのではなく、荷重制御・動作と互いに影響し合う身体機能として捉えています。
呼吸
胸郭や腹部がどのように動き、身体をどのように支えているかを確認します。
荷重制御
立ったときに足裏から受けた力を身体で受け止め、調整しながら次の動作へつなげられているかを確認します。
動作
立つ、歩く、しゃがむなどの中で、呼吸や身体の支え方がどのように使われているかを確認します。
例えば、呼吸への働きかけによって身体の力みが変わったら、そこで終わりにはしません。
立って体重を移す、歩いてみるなど、実際の動作をもう一度行い、呼吸の変化が荷重制御や動作へつながったかを確認します。
JIONでは、呼吸の何を確認するのか
呼吸の回数や深さだけで判断するのではなく、身体全体との関係を見ながら確認します。
吸う・吐く
無理なく呼吸できているか、息を急いで吸ったり吐いたり、必要以上に止めたりしていないかを確認します。
胸郭の動き
胸の前側だけでなく、脇腹や背中を含めて、呼吸に伴ってどのように動いているかを確認します。
左右差
左右の胸郭などで、呼吸に伴う動きに大きな違いがないかを確認します。
身体の力み
首・肩・背中などへ必要以上に力を入れながら呼吸していないかを確認します。
姿勢との関係
仰向け、座位、立位など、身体の位置が変わることで呼吸がどう変化するかを確認します。
荷重・動作との関係
立つ、体重を移す、歩く、しゃがむなどの中でも呼吸と身体の支え方を確認します。
すべての項目を同じように変えるのではなく、その方の身体や動作にとって、今どこを確認する必要があるかを考えます。
「呼吸が浅い=悪い」とは限りません
呼吸は、活動量や姿勢、緊張、疲労などによって変化します。
そのため、呼吸が浅く見えることだけで問題があると判断するわけではありません。
また、大きく深呼吸できることだけを目標にするわけでもありません。
大切なのは、現在の呼吸が身体の支え方や力み、荷重制御、動作とどう関係しているのかです。
JION Point
「深く吸う」「大きく吐く」といった一つの呼吸法をすべての方へ当てはめるのではなく、その呼吸が現在の身体にどう影響するかを確認します。
呼吸へ働きかけた後は、もう一度動いて確認します
呼吸の練習が上手にできること自体が、JIONの最終目的ではありません。
必要に応じて、身体を支えやすい姿勢で呼吸を行ったり、胸郭や身体の緊張へ働きかけたりします。
そのあとに立つ、左右へ体重を移す、歩くなどを行い、身体の支え方や動きやすさがどう変化したかを確認します。
呼吸も、評価と再評価で考える
呼吸を確認する → 必要なところへ働きかける → もう一度呼吸・荷重制御・動作を確認する
呼吸だけを良くしようとするのではなく、その変化が身体全体へどうつながったかを確認します。
セルフコンディショニングとしての呼吸
呼吸は、ご自宅で身体の状態を確認する方法として使うこともできます。
JIONでは、必要に応じて、身体を支えた姿勢で行う呼吸などをセルフコンディショニングとしてお伝えします。
ただし、すべての方に同じ呼吸法が必要なわけではありません。
現在の身体や目的に合わせて内容を選び、行ったあとに立ちやすさや動きやすさなどを確認します。
呼吸だけですべての不調を説明しません
呼吸はJIONが重視する身体機能の一つですが、呼吸だけですべての痛みや不調を説明できるわけではありません。
関節の状態、筋力、感覚、荷重制御、動作、生活環境、睡眠や疲労など、ほかの要素が関係している場合もあります。
そのためJIONでは、呼吸だけを原因と決めつけず、身体全体と生活背景の中で呼吸がどのように関係しているかを考えます。
息苦しさや胸の症状がある場合
突然の強い息苦しさ、胸の痛み、強い動悸、意識が遠のく感じなどがある場合は、身体機能の問題と決めつけず、医療機関での評価を優先してください。
呼吸器や心臓などの疾患で治療中の方は、医師から受けている指示を優先します。
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呼吸を、身体の支えと動作へつなげる
JIONでは、呼吸だけを切り離して考えず、荷重制御や動作との関係を確認しながら、その方に必要な身体機能へ働きかけます。
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