感覚とは
感覚とは、身体の内側や外側から入ってくる情報を受け取り、身体の状態や周囲の状況を知るための働きです。JIONでは、感覚を、呼吸・荷重制御・動作を調整するために関わる重要な身体機能の一つとして考えています。
JIONが考える感覚
大切なのは「感じること」だけではありません。身体や環境から受け取った情報を、身体を支えることや動作の調整へ利用できることを大切にします。
身体は、感覚を使いながら動いています
私たちは、筋力だけを使って立ったり歩いたりしているわけではありません。
足裏のどこが床に触れているか、関節がどの位置にあるか、身体がどちらへ傾いているか、周囲に何があるかなど、さまざまな情報を受け取っています。
身体は、そうした情報を利用しながら、力の入れ方、身体の支え方、重心の位置、動く方向などを調整しています。
そのためJIONでは、感覚を単独で切り離さず、受け取った情報が荷重制御や動作の中でどのように使われているかまで確認します。
身体が利用している主な感覚情報
身体は、一つの感覚だけではなく、複数の情報を組み合わせながら現在の身体や周囲の状況を把握しています。
足裏・皮膚からの情報
床や座面との接触、圧の変化、どの場所へ体重がかかっているかなどを知る手がかりになります。
関節・筋肉からの情報
関節の位置や動く方向、筋肉の伸び縮みなどから、身体がどのような状態にあるかを知る手がかりになります。
傾き・揺れ・動きの情報
頭や身体の傾き、揺れ、移動する方向などを捉え、身体のバランスや姿勢の調整に利用します。
視覚からの情報
身体と周囲の位置関係、距離、進行方向、段差などを確認し、姿勢や動作の調整に利用します。
身体内部からの情報
呼吸、身体の緊張、疲労など、身体内部の状態を知るための情報も、身体の使い方に関係します。
一つの感覚だけで身体を調整しているわけではありません
立っているときも歩いているときも、身体は複数の感覚情報を同時に利用しています。
例えば、足裏から床の情報を受け取りながら、関節の位置や身体の傾き、視覚から得た周囲の情報なども合わせて身体を調整しています。
また、利用する情報の割合は状況によって変わります。
明るい場所と暗い場所、平らな床と不安定な場所、止まっているときと歩いているときでは、身体が必要とする情報も同じではありません。
JIONでは、こうした複数の感覚情報をどのように組み合わせて身体を調整しているかも考えます。
足裏感覚と荷重制御
立位や歩行では、足裏が身体と床との接点になります。
かかと、親指の付け根、小指側など、足裏のどこで床に触れているか、どの方向へ圧が変化しているかは、身体を支えるための情報になります。
ただし、足裏の特定の場所を常に強く意識したり、決められた場所へ体重をかけ続けたりすることが目的ではありません。
重要なのは、足裏から入る情報を利用しながら、身体で力を受け止め、必要な方向へ移り、次の動作へつなげられることです。
感覚情報を使いにくいとき
身体から情報を受け取っていても、それを身体の支え方や動作へ十分に利用しにくい場合があります。
- 足裏のどこに体重がかかっているか分かりにくい
- 左右へ体重を移したときの違いを感じにくい
- 身体や関節の位置を捉えにくい
- 身体を動かすときに必要以上に力が入りやすい
- 目で確認すると動きやすいが、見ないと不安定になりやすい
- 動く場所や環境が変わると身体を調整しにくい
ただし、こうした特徴があるからといって、感覚だけに問題があるとは限りません。
痛み、関節の状態、筋力、呼吸、疲労、睡眠、不安、生活環境などによっても、身体の感じ方や動き方は変わります。
JION Point
「感覚が弱い・強い」だけで身体を判断するのではなく、その情報を身体の支えや動作へどう利用しているかを確認します。
感覚と呼吸・荷重制御・動作
感覚は、JIONの3つの主軸である呼吸・荷重制御・動作とも関係しています。
呼吸
胸郭の動きや身体の緊張などを感じることは、現在の呼吸や身体の状態を知る手がかりになります。
荷重制御
足裏などから得た情報を利用しながら、身体へ入る力を受け止め、身体の位置を調整します。
動作
実際に動くことで新しい感覚情報が入り、その情報を使いながら次の動作を調整していきます。
つまり、感覚から動作へ一方向につながるだけではありません。
動くことで感覚が入り、その感覚によって次の動きが変わるというやり取りが繰り返されています。
JIONでは、感覚の何を確認するのか
JIONでは、単に「感じる・感じない」だけではなく、身体全体との関係を確認します。
足裏の感覚
足裏のどこで床を感じ、体重を移すことでその感覚がどう変化するかを確認します。
身体の位置
関節や身体の位置、動いている方向などをどのように捉えているかを確認します。
左右・前後の違い
身体を左右や前後へ移したとき、足裏や身体の感覚がどのように変化するかを確認します。
視覚との関係
目から得る情報がある場合と少ない場合で、身体の支え方や動作がどう変化するかを必要に応じて確認します。
力み・脱力
身体の状態を感じながら、必要な力を使い、必要がなくなったときに力を抜けるかを確認します。
動作への利用
受け取った情報が、立つ・歩く・しゃがむなどの身体の調整へつながっているかを確認します。
感覚を「意識し続ける」ことが目的ではありません
セルフコンディショニングや動作練習では、最初に足裏や呼吸などへ意識を向けることがあります。
これは、現在の身体の状態に気づきやすくするためです。
しかし、日常生活で常に「親指の付け根へ体重をかける」「足裏を意識する」などと考え続けることが最終目的ではありません。
最終的には、目的や環境に応じて、必要な情報を利用しながら自然に身体を調整できることを目指します。
感覚へ働きかけた後は、動作で確認します
例えば、足裏の感覚へ注意を向けたり、身体の位置を少し変えたりした後に、もう一度立つ、体重を移す、歩くなどの動作を行います。
その結果、身体の支えやすさ、荷重の移しやすさ、力み、痛み、動きやすさなどがどう変化したかを確認します。
変化があれば、その感覚情報が現在の身体や動作に関係している可能性を考えます。
感覚も、評価と再評価で考える
感覚を確認する → 必要なところへ働きかける → 荷重制御や動作をもう一度確認する
感覚だけを変えることを目的とせず、その変化が身体全体へどうつながったかを確認します。
感覚だけですべてを説明しません
感覚は重要な身体機能ですが、すべての痛みや動作の問題を感覚だけで説明できるわけではありません。
呼吸、荷重制御、関節の状態、筋力、疲労、睡眠、痛みに対する不安、仕事や生活環境などが関係している場合もあります。
そのためJIONでは、一つの要素を原因と決めつけず、身体機能・動作・生活背景を合わせて考えます。
急に感覚が変わった場合
急に感覚が分かりにくくなった、しびれが急激に強くなった、筋力低下が進行している、身体の片側に急な感覚の変化が生じたなどの場合は、身体機能の問題と決めつけず、医療機関での評価を優先してください。
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感じた情報を、身体の支えと動作へつなげる
JIONでは、感覚だけを切り離して考えず、呼吸・荷重制御・動作との関係を確認しながら、その方に必要な身体機能へ働きかけます。
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