荷重制御とは|身体機能と荷重制御の関係をJIONが解説

荷重制御とは

荷重制御とは、足裏などから受けた力を安定して受け止め、身体の中で調整し、次の動作へつなげる能力です。立つ、歩く、階段を使う、しゃがむなど、多くの日常動作に関係しています。

JIONが考える荷重制御

ただ体重をかけるのではなく、必要な場所で力を受け止め、状況に応じて身体を調整しながら、次の動作へ移れることを大切にしています。

「荷重」と「荷重制御」は少し違います

荷重とは、身体に体重や外からの力がかかっている状態を表します。

立っていれば両足へ荷重がかかり、歩けば左右の足へ荷重する場所が変化していきます。

一方、JIONが重視している荷重制御は、力がかかっていることだけではありません。

床から受ける力を感じ、身体で受け止め、その場で安定し、必要に応じて重心や身体の位置を変え、次の支持や動作へつなげていくところまでを含めて考えます。

私たちは常に荷重を変化させながら動いています

まっすぐ立っているときと、歩いているときでは、身体への力のかかり方は同じではありません。

歩行では、一方の足で身体を受け止めながら重心を移し、反対側の足へ支持を移していきます。

階段、立ち上がり、しゃがむ動作などでも、身体は力を受け止めながら位置を変えています。

そのため、荷重制御では「止まって支えられるか」だけでなく、「支えながら動けるか」も重要になります。

荷重制御は、足裏だけで行うものではありません

立位や歩行では、足裏が身体と床との接点になります。

しかし、足裏だけで身体を支えているわけではありません。

足部、足首、膝、股関節、骨盤、体幹などが互いに関係しながら、身体へ入った力を受け止め、調整しています。

さらに、足裏の感覚、身体の位置を感じる力、呼吸、筋肉の働き、関節の動きなども荷重制御に関係します。

そのためJIONでは、膝が痛いから膝だけ、足裏が痛いから足だけというように切り離さず、身体全体の中でどのように力を受け止めているかを確認します。

足裏は、床との接点です

足裏から得られる感覚は、身体がどこで床と接し、どのように力を受けているかを知る手がかりになります。

かかと、親指の付け根、小指側など、足裏のさまざまな場所で床との接触を感じます。

ただし、足裏の3点へ常に均等に体重をかけることや、特定の場所を強く押し続けることが目的ではありません。

立つ、歩く、方向を変えるなど、動作によって足裏へかかる力は変化します。

大切なのは、必要な場所で床を感じ、その情報を身体の支えや動作へ利用できることです。

左右差があること自体を問題にはしません

人の身体には左右差があります。また、動作によって左右へかかる体重が違うのは自然なことです。

そのためJIONでは、「左右50%ずつで立つこと」を良い荷重とは考えません。

重要なのは、必要に応じて右にも左にも身体を移し、その場所で力を受け止め、そこから次の動作へ移れるかです。

JION Point

良い荷重制御とは、左右を常に均等にすることではありません。必要な場所で力を受け止め、必要な方向へ身体を移し、次の動作へつなげられることを大切にします。

荷重制御と片脚支持

歩行では、短い時間であっても片脚を中心に身体を支える場面が繰り返されます。

そのため、両足では安定して立てても、片脚支持になると身体の使い方が大きく変わることがあります。

片脚で支えたときに、身体が大きく傾く、膝や股関節の位置が変わる、腰や肩を強く固めるなどの反応が見られる場合があります。

こうした反応そのものを悪いと決めつけるのではなく、その支え方が痛みや動作と関係しているかを確認します。

荷重制御と「内壁・外壁」

JIONでは、身体の支え方を考えるために内壁・外壁という言葉を使います。

内壁

身体の内側で安定して支える働きです。

荷重したときに、身体を必要以上に固めずに支えられているかを考える一つの視点として確認します。

外壁

身体の外側の筋肉を過剰に使用し、身体を固めて支える働きです。

荷重したときに太もも、腰、肩などを強く固めて支えていないかも確認します。

外側の筋肉を使うこと自体が問題なのではありません。必要な場面ではしっかり力を使い、必要がなくなれば力を抜き、次の動作へ移れることが重要です。

荷重制御と重心の違い

荷重制御と重心は密接に関係していますが、同じものではありません。

荷重制御は、身体へ入る力をどのように受け止め、調整し、次の動作へつなげているかを見る視点です。

重心は、身体全体のバランスの中心がどこにあり、動作の中でどのように移っているかを見る視点です。

身体の位置が変われば荷重する場所も変わり、荷重の受け止め方が変われば重心の移し方も変化します。

JIONでは、どちらかを原因と決めるのではなく、互いの関係を確認します。

力を受け止めるだけでなく、次へ移ることも大切です

歩く、階段を下りる、しゃがむ、着地するなどでは、身体へ入ってくる力を受け止める必要があります。

このとき、身体を強く固めて止めるだけではなく、関節や筋肉を使いながら身体の勢いをゆっくり受け止めることも必要です。

そして、受け止めたあとには次の一歩や次の動作へ移ります。

JIONでは、こうした受け止める → 調整する → 次へ移るところまでを荷重制御の中で考えます。

呼吸・荷重制御・動作はつながっています

JIONでは、呼吸・荷重制御・動作を身体を見る3つの主軸として整理しています。

この3つには決まった一方向の順番があるわけではありません。

呼吸

呼吸や身体の支え方が変わることで、立ったときの力みや荷重の受け止め方が変化することがあります。

荷重制御

足裏などから受けた力を身体で受け止め、調整し、次の支持や動作へつなげます。

動作

立つ、歩く、しゃがむなどの中で、実際に荷重制御がどのように使われているかを確認できます。

また、実際に動くことで足裏から入る感覚や身体の支え方が変わり、荷重制御そのものが変化することもあります。

JIONでは、荷重制御の何を確認するのか

単に左右どちらへ多く体重がかかっているかだけでは判断しません。

足裏の感覚

足裏のどこで床を感じ、身体へかかる力をどのように捉えているかを確認します。

両足での支持

両足で立ったときに、必要以上に身体を固めず支えられているかを確認します。

左右・前後への移動

身体を左右や前後へ移し、その場所で力を受け止めながら戻ったり、次へ移ったりできるかを確認します。

片脚支持

片脚を中心に身体を支えたとき、身体全体がどのように調整されるかを確認します。

関節と筋肉の働き

足首、膝、股関節などの動きや安定性、必要な筋力が荷重にどう関係しているかを確認します。

力みと脱力

荷重するときに必要以上に身体を固めていないか、必要がなくなったときに力を抜けるかを確認します。

動作の中での荷重

歩行、階段、しゃがむ動作などで、荷重を受け止め、移し、次の動作へつなげられているかを確認します。

どれか一つの所見だけで原因を決めるのではなく、現在の症状や動作との関係を考えます。

荷重制御へ働きかけた後は、もう一度動いて確認します

例えば、足裏の感覚や身体の支え方へ働きかけた結果、左右への体重移動が行いやすくなることがあります。

しかし、その場で変化しただけでは十分ではありません。

もう一度、立つ、歩く、しゃがむなどの動作を行い、身体の支え方や痛み、動きやすさがどう変化したかを確認します。

荷重制御も、評価と再評価で考える

荷重制御を確認する → 仮説を立てる → 必要なところへ働きかける → もう一度荷重制御や動作を確認する

変化が実際の動作へつながったかを確認しながら、次に必要なことを考えます。

荷重制御だけですべてを説明しません

荷重制御はJIONが重視する身体機能の一つですが、すべての痛みや動作の問題を荷重制御だけで説明できるわけではありません。

呼吸、感覚、関節の状態、筋力、痛みに対する不安、疲労、睡眠、仕事や生活環境などが関係する場合もあります。

そのためJIONでは、一つの要素を原因と決めつけず、身体機能・動作・生活背景を合わせて考えます。

荷重制御は、日常生活の動作へつながります

荷重制御を高めること自体が最終目的ではありません。

立つ、歩く、階段を使う、立ち上がる、物を持つ、仕事や家事をする、趣味やスポーツを楽しむ。

こうした実際の活動の中で、必要な場所へ身体を移し、力を受け止め、次の動作へつなげられることが重要です。

強い痛みや急に体重をかけられなくなった場合

外傷後に足へ体重をかけられない、強い腫れや熱感がある、急激に痛みが悪化した、しびれや筋力低下が進行している場合などは、身体機能の問題と決めつけず、医療機関での評価を優先してください。

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力を受け止め、次の動作へつなげる

JIONでは、足裏だけを見るのではなく、呼吸・荷重制御・動作の関係や身体全体の支え方を確認しながら、その方に必要な身体機能へ働きかけます。

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